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鬼柳 亮嗣; 大原 高志; 中尾 朗子*; 宗像 孝司*; 石川 喜久*; 森山 健太郎*; 中村 龍也; 金子 耕士; 田村 格良
no journal, ,
J-PARC/MLFのBL18に設置されているTOF-Laue型中性子単結晶構造解析装置SENJUは、無機物質や小型の分子性結晶,磁性体の磁気構造解析などを主なターゲットとした装置である。J-PARC/MLFで発生する大強度の白色中性子と広い立体角をカバーする検出器により、小さな試料でも効率的に逆空間を測定できることがSENJUの特徴であり、これまで多くのユーザー実験を行うとともに、装置の高度化を進めてきた。SENJUでは主に円筒形に配置された37台の2次元検出器により広い立体角のカバーが実現されているが、特殊環境下での測定など、試料の回転軸が1つしかない場合は測定領域が限定されてしまうことが問題であった。そこで、従来型の検出器よりも薄くコンパクトな検出器を開発し、試料の斜め下の位置にも検出器を追加設置した。これによりカバーする立体角が約10%増加し、1度に測定できる領域が広がるとともに、より高効率な測定を行うことが可能となった。また、ユーザーが実験終了後に各所属大学等でもスムーズな解析が行えるように、解析ソフトのonline化を行った。これはクラウド上にデータを保管し、webアプリ化したソフトをブラウザ上で使うことにより、SENJUのデータ解析をユーザー自身のPC上に解析環境を構築することなく行えるようにするものである。その他、測定効率の向上にむけた複数結晶の同時測定や3次元全散乱解析について報告する。